2014年英語読書日記 No.20(耳読書No.10) The Perfume Collector

Author:Kathleen Tessaro
Category:Fiction
Pages:


Total recommends:
★★★★★  
Difficulty:★★☆☆ 
Story:★★★★  
Can't-sleep-degree:★★★☆☆  
Romance-packed-degree:★★★★    
Adventure-packed -degree:
☆☆☆☆☆  
Mystery-packed-degree:★★★☆☆

ロンドンに夫とふたりで暮らす主人公がある日突然受け取ったのは、パリで亡くなった身寄りのない女性の遺言状だった。全く身に覚えもなく、全く知らない女性から莫大な財産を受け継ぐことになった主人公は、夫の浮気に気づいた時、飛び出すように、単身パリへと赴く決心をした。

これも女性ふたりのデュアルタイムストーリーです。最初の舞台ニューヨークで孤児の少女だった女性がなぜパリで人生を終わるのか、そしてイギリスの女性になぜ財産を残すのかが丁寧に描かれています。

過去からの無言のメッセージを受け取ったとき、現代に生きる主人公は新たな気持ちで旅立つことができる。この構図は多くの作品が持っているものですが、これも同じ路線。でもそれが王道で、そういう結末を体感したくて読者が読んでいるのを作者はわかっている。いいですね。わたしもその一人です。

デュアルタイムの難しさは、舞台が最低でも二つで同時並行でストーリーが進むことです。そして時代を隔てているのも難しいのではないかと思います。最初はどう関係するのか全くわかりません。それが急にクロスするところに面白さがあります。途中で真実が明るみになるんですが、そのストーリーラインにちょっと感動しました。

英語は普通だと思いました。舞台がパリなので、audiobookだと、フランス語訛りの英語も聞けます。

これを読んで連想する作品は
これはデュアルタイムとは言えませんが、テーマが古着。小道具に香水がでてくるのと、フランスが舞台になるという意味で雰囲気がちょっと似ています。

これは絵画が小道具。戦争が出てくるのも共通しています。

どちらもちょっと哀しさを漂わす感じのしっとりした作りです。わたしは匂いに敏感なので、香水はあまり興味がないのですが、これを読んで面白いなと思いました。

女性が悩みながら、悲しい過去を背負いながら生きていく。そのことが最後になって愛情として溢れ出す構図で、とても読み応えがありました。女性の作家が女性のために描いたストーリーが好きな私ですが、好きなのは、読んでいて、作者から読者へ、作品を通して熱いエールを感じるものです。

「がんばってるね」というメッセージ。そして人間は癒されるものなのだということが文から溢れ出るもの。

 これも好きな作品となりました。