英語読書日記 Forever

Forever (Wolves of Mercy Falls)
Forever (Wolves of Mercy Falls)
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Author :Maggie Stiefvater
Period:August 18th~21th (4 days)
Category:Young Adult 
493pages

Total recommends:★★★★★
Difficulty:★★★☆☆
Story:★★★★★
Can't-sleep-degree:★★★★☆
Romance-packed-degree:★★★★☆
Adventure-packed -degree:☆☆☆☆☆
Mystery-packed-degree:☆☆☆☆☆
489pages

"I like thinking about you thinking about me when I'm not around."
「私がいない時に私の事を考えてるあなたのことを思うのが好き。」
心をぎゅっと捉えて離さないSamとGraceの物語最終巻

あらすじ

Graceとのつらい別れ。彼女がいなければSamの世界は止まったも同然だった。Graceが行方不明になったことはSamを窮地に追いやる。警察は彼を「実の親に殺されかけて精神がおかしくなったサイコ」のような分析をされ、息子をオオカミに殺されたと信じて疑わないIsabelの父親は自分の権力を最大限に利用してMacy Fallの「オオカミ狩り」を実行しようとしていた。はたしてSamとGraceの愛の行方は?そしてオオカミたちの命をSamは救うことをできるのだろうか。

やっぱり、思いをすべて言葉に表さないSamとGraceの心の交流がぎゅっと心をわしずかみにします。どこまでも透明感があって読んでいてこの世界にどっぷりと浸れます。そう、この本の特徴の一つは「セリフを途中で止める」です。全部言いきらない。特にSamのセリフに多いです。そういうキャラクターに設定されているのもありますが。全部言い切ったらみもふたもない。日本人が理解できる感覚です。それがよけいに余韻を残す。たとえばこんな感じ

"Grace - " He stopped.
"I know," I said. " I do, too."
「グレイス・・・。」彼はいいかけてやめた。
「わかってる。」私は言った。「私もよ。」


そしてまたまた「なんと詩的な」という表現がやっぱりぴったり。ストレートに伝えないその思いがかえって重みがあって、なんだか吉本ばななと岩舘真理子の世界を足して、その上になにかを足したような感じ。何かを足すとしたら、楽器。Samがアコースティック・ギターなら、Coleはドラムでしょうか。え?違う?すみません。もっと日本語の本読むようにします。とてもとても繊細な中にもシャープな感じを言い表したいんですが、なかなか難しい。たとえも古いかなあ。

季節の移り変わりや描写で感覚をじわじわと感じ、本を読んでいて寒暖や、森の葉の匂いを感じたり、音楽が聞こえてきそうなこの感じは日本人の感性にもとてもマッチするものではと思いながら読みました。他の小説では味わえない独特な雰囲気。好きです。ある意味むちゃくちゃおしゃれです。センスが隅々まで感じられる。

登場人物一人ひとりがとてもせつなく感じるのは、それぞれが苦しみを抱えながらもがきながら懸命に生きているから。それを内包しているからこそ美しい。そしてそれぞれが完璧ではなく、月の満ち欠けのようにかけらになっていて、その不完全さを補い合うような登場人物たちだからでしょうか。2巻では「1巻でのSamとGraceのピュアな物語」がCole とIsabelの登場によって、話が複雑になっていきます。そこから3巻では違和感のあったこの二人の存在がだんだんと溶け込んでいく感じ。Samと対極にあるからこそColeの存在、魅力が感じられます。3巻ではその魅力がMax。ジーニアスColeにしてあの性格。これはファンがつくだろうなあ。物語の展開をほとんどすべて彼が握っている。そしてIsabelの苦悩に共感できるようになっていきます。

物語も大がかりな事件が押し寄せるのではなく、日常の延長上にふとあらわれるといった感じで淡々と進みます。ともすると退屈になりがちな室内での出来事も、どこかかけていて不安定なぎりぎりのバランスで進んでいくので、先に読み進むことができます。

先の2巻に比べると、話も複雑でいろいろな要素が絡み、展開も現れます。1巻で森から室内。2巻で室内から森ときたように、最後は「内から外へ」の開放を示唆していきます。

最終巻らしく、1巻からなんとなく持ち越されてきた「理由」があきらかにされていきます。Samの養父であるBeck
がこの物語の鍵になっていて、それを開けようとしないSamの代わりのColeの存在が重要ともなっています。おもしろい。そしてクライマックスの最後50ページあまりは圧巻です。ここだけはスピード感あふれる展開。オオカミが走る速度で話が進みます。

英語は1巻から2巻、3巻へと徐々に難しくなる感じかなと思いました。3巻は長いですしね。単語も好んで使う単語が何度も出てきます。だからこの本で覚えた単語もあります。normalcy, syringe など。

詩もたくさんでてきます。文章全体も詩のようですしね。文の構造ですごくおもしろかたったもののひとつがこれです。うなりました。私は日本語も英語も詩にぜんぜん詳しくないからよけいでしょうか。


     my hands sweaty on the steering wheel of his car
never
     endless evenings, all the same, standing by the grill
wanted
    
you're the best of us, Sam
this
    
ことばがこういう風にならんでいるんですが、最初の4つの単語を縦に読むと
" I never wanted this." となります。このセリフもすごく意味深です。目の前で起こっていることをしたくなかったのか、過去を振り返って言っているのかという余韻を残して言っているととれると思いました。

この3部作は読むとしたら、続き物なので間をあけずに読んだ方が面白さも倍増すると思います。終わり方もすごくすっと引くような感じで終わります。「もうこの続きはないよ。」という潔さが見えてほんとうにcoolだなあと本を閉じました。センスいいなあ。

最後のAuthor's noteでは読者からよくくる質問に著者が答えてらっしゃいました。物語の舞台がミネソタとあるが、Macy Fallという地名は架空の土地であるとか、登場人物の誰が架空で誰がモデルがいるかとか。あと最後に「SamとGraceの愛は本物か」について書かれているのがとても好感が持てます。詩についてもリルケやイェーツなと好きなドイツの詩人のことやおススメの詩集のことなどなど。

「Twilight」が好きならこれもきっと好きになるとよく言われていますが、内容はずいぶん違います。Twilightはその話の展開のはやさや豪華さに目をとらわれる感じで、このShiverシリーズはもっと内なるもの。もっともっと繊細です。英語を勉強するにはまずTwilightの方がスピードがあるので入りやすいかもしれませんが、(1巻はTwilightよりも読みやすいと思いますが)このShiverシリーズをもっと理解度の増えた今読めて本当によかったと思っています。500ページ近い本を4日で読むのは結構大変なんですが、その大変さを超えて「この本の世界に入っていたい。」という気持ちのほうが強かったです。

これで今月間違っていなければ5冊頑張って読みました。ふと、「5冊で約1900ページを約3週間かかったけど、これを多読の語数にしたらいくつかなあ。」と思いましたが、それ調べる時間があったら、次読んだ方がいいので次行きます。1月に5冊はタイ記録。今度は新記録の6冊に挑戦ですが、次は長いのでおそらく今月中には無理だと思います。来週から仕事だし。そこで短いの行っちゃえばいいんですが、まあそんな姑息になる必要もありませんね。でもペーパーバックマラソンには簡単で短いのを間に挟むのが長続きする秘訣です。だからその次は短いのさがそう!これで35冊。あと15冊です。ふうう。

ブログの回数も減っていて、この数日「この本を読み終わったらUPしよう。」と励みにがんばりました。ほんとはもっとUPしたいんですが、自分の気持ちがブログではなく、子供に向くように努力しています。

にもかかわらす、毎日いらしてくださる方がいらっしゃることに感謝しています。ありがとうございます。
今から子供のお願いでチェスをしまあす。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
来週もいい1週間でありますように。