英語読書日記 The Help

The Help
The Help
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Author: Kathryn Stockett
Period:July 25th~July 31th
Category: Fiction
480pages

Total recommends:★★★★★
Difficulty: ★★★★☆
Story:★★★★★
Can't-sleep-degree :★★☆☆☆
Mystery-packed -dgree☆☆☆☆☆
Romance-packed-degree:★★☆☆☆

教科書的な観点から離れて知れる「アメリカ公民権運動」?
いきいきとした登場人物、泣いて笑ってそして感動の物語

(ちょっと視点と変えると「家政婦は見た。ミシシッピ、ジャクソン編」)(笑)

あらすじ
Aibileenはミシシッピのジャクソンに一人で住む50代の女性。夫は彼女のもとを去り、大事な一人息子は白人の車に引かれて、そのまま放置され亡くなった。彼女は息子の死を嘆くが、生活のために再び仕事につかなければならなかった。Helpとして。Helpとは白人家庭に仕える家政婦のことで。Aibileenは特に赤ちゃんと子供の世話が得意だった。息子を亡くしたばかりの彼女は新しくHelpとして働き始めた家で生まれたばかりの白人の女の子Mae Mobleyの世話をするうちに、少しずつ心の傷がいえていくことを感じる。

1960年ジャクソンはまだまだ隔離政策が存在しており、その地の有力者の一人であるHillyは白人女性のサークルの会長として、幅を利かせていた。Aibileenの主人にあたるLeefoltはHillyの取り巻きの一人だった。Leefoltの家には毎週火曜日に「ブリッジの日」と称してHillyともう一人の友人で最近大学を出て故郷にもどってきたSkeeterも来ていた。彼女だけが独身であとの女性は結婚して子供もいた。Hillyは特に黒人への隔離政策に対して熱心で、「不潔だし、病気がうつらないように。」とLeefoltにAibileen専用のトイレを作るように説得していた。

台所で仕事をするAibileenにSkeeterがやってきてこう聞いた。
「あなたは本当は黒人専用のトイレがこの家につくられることにどう思っているの?」
本当の気持ちはもちろん言えないAibileenだが、Skeeterに他の白人と少し違う感覚を覚えるAibileenだった。
Skeeterは黒人女性のConstantineに本当の母親以上に愛情を受けて育った女性だった。

ある日SkeeterはAibileenにあるお願いをする。
「Helpとして働く女性たちの本音を書いて本にしたいの。どうか手伝ってほしい。」時代はまだ1960年代初めの隔離政策が根強く残る土地南部ミシシッピ。ちょっとしたことで黒人たちは投獄されたり、殺されたりしてしまう時代だった。


ずっと読もうかなと思っていたんですが、U.Sアマゾンでじりじりとランキングを上げて、今は1位。以前にこの作者が作品の登場人物としてモデルにされたとある黒人女性から訴えられたというTIMEの短い記事
Kathryn Stockettを読んで興味を持ちました。「へえ、そんな話なら読んでみたいなあ。」と。

なるべくヤングアダルトの次は普通のフィクションの順で読んでるので、まずはサンプルをぽちっとしたつもりが、サンプルぽちっとしたあと間違えてまたぽちっとしていて、結局購入していたので読みはじめました。読み始めて思ったのは、「まるでアメリカ映画をみているようだ。」という印象。読んでいて、「これは映画化されるでしょう。」と確信。で、ランキングも1位のままだし、もしかしてと思って調べてみたら映画化されていました。なるほど。

ちょっと原作のイメージより軽めで私のイメージよりみなさん若い感じですがね。もうちょっと重厚で南部の湿気のこもった感じで読みました。

高校で英語を教えていると何年かに一回は必ず出会う人物は、わかりますよね。
公民権運動キング牧師です。それにローザ・パークス。どちらかが主人公になっている場合が多い。最近ではキング牧師のスピーチを読みました。全文ではないですが、結構長いバージョンで教科書に扱われたりしています。この本ではキング牧師ローザ・パークスは名前が出てきて、実在の人物であるメドガ―・エヴァンスは実際に登場します。メドガー・エバンスは「近所の人」として登場。そしてKKKに自宅前のポーチで殺され、お葬式には彼の10歳の息子の抑えた涙が、皆の涙をさそったなんてくだりも物語で出てきます。

授業で教科書的に学ぶのとは違って、これを読むと生き生きと主人公たちが動き回り、その泣き笑いに共感できます。いまからそんなに遠くない1960年代のアメリカの国の様子、特に
南部の様子が見事に映し出されます。なによりも魅力的なのが、黒人のThe Helpと言われる家政婦の二人の女性。友情、愛情いっぱいで勇気に満ちた役柄です。特にMimmyのキャラクターとそれを取り巻くエピソードが群を抜いていて、暗くなりがちなこのテーマに明るい光をさしているようだと思いました。そして息子を突然亡くしたこころやさしいAibileen。彼女がいなかったら、彼女の美しい心がなかったら、ジャクソンのhelpたちはもっと苦労していたことでしょう。

作品を読むなかで読者は虐げられているhelpの黒人女性たちの側に立ち、何度も何度も訪れるハラハラする瞬間に気をもみながら、「どうかだれも不幸な目に会わないで。」と祈る気持ちで読み進めます。黒人女性たちがバラバラだった心をある事件がきっかけで、その心を一つに重ね合わせていくその過程も感動ものです。

そして、反対側の人間、白人女性たちの矛盾した虚栄心、そして時に心温まるhelpたちとの心の絆にも心打たれ涙します。キャラクターはとてもステレオタイプ的に書かれていますが、それがかえっておもしろかったです。黒人女性側に立つたった一人の白人女性Skeeterの心の葛藤も気をもみました。

文章を読んでいて心温まるシーンはたくさんあるのですが、主人公の一人Aibileenの子供に対するまなざしがとてもとてもよかったです。子供のセリフもかわいくて声が聞こえてきそうでした。

最後には澄み切った爽快な気持ちで読み終われるので、「ああ、いい話だったなあ。」と素直に感動しました。

英語はすごく難しい英単語が連続ででてくるというわけではないし、女性の視点で日常的なことが中心なので読みやすいはずなんですが、普段目にするのとは違う単語が飛び交うので最初はすごく戸惑い、読み進むのに苦労しました。黒人のメイドさんたちの英語の使い方が違う。I think もI specとかいう言い回しを筆頭にいろいろと違います。略語も多くて、古そうな言い方のような気がします。辞書引き損の連続。ひとつ面白いのはbe動詞の使い方。オーストラリアの映画でもアボリジニの男の子がこういう使い方をするのをきいたことがありますが、主語がなんであろうともすべて3人称単数扱い。is, was で済ませてしまう。これはノンネイティブにとってはかえって楽なんですがね~。生徒が喜びそうだ。

という理由とやっぱり大人が読むストーリーなので、いつもの倍近く、読むのに時間がかかりました。10%読むのに2時間。全編480ページなので、1時間25ページもいっていない。これほど進まなかったのは去年読んだ「The Forgotten Garden」以来かも。あれも辞書を引き引き読みました。1年前なので、そのころよりはちょっとは読むスピードも上がっているはず?なので、こちらの方が時間がかかっているかもしれません。乗ってくるともう少し早くはなっていたと思いますが、それでも1時間30ページを超えることはなかったと思います。なんだか最近わからなくなってきているような・・・。それだけ辞書を使いながらも中身を深く読もうとしている傾向が起こっているのかもしれません。(最初は450ページぐらいと思って、「2時間で45ページ?読むの遅すぎ!」と落ち込みましたが、もうちょっと読めてて少し安心しました。でも読了するのに15時間はゆうにかかったと思います。これもうちょっとやさしめだったら、超お勧めなんですがね。読むの時間かかっても価値ありました。

10冊読了毎にちょっとした達成感を感じるんですが、これで30冊。記念すべき記録はいい作品でした。なんとか7月いっぱいに読むという自分への締め切りを守ることができました。あと5か月でどれだけ読めるかわかりませんが、いろいろ取り混ぜて頑張っていきたいです。

今日の「つぶやき」でも書いたんですが、PBを読むときにある程度自分にリミットを設定します。今ならば「1週間で1冊」「3日で1冊」「いや今日だけで読めないか?」といった風に。本を味わう読書家がすることではないかもしれませんが、これが結構効いていて、ここまで来れました。「もう今日は無理だから明日。」と思うところを、「明日に伸ばしたら2週間にわたってしまう。がんばって読んでしまおう。」となるわけです。普通の英語の勉強だとこうはいかない。まず机に向かって何時間も問題解けません。というか机に向かうようなことすらまったくしていないような気が・・・。冊数を積み上げることは邪道かもしれませんが、一つ一つの作品を味わっていないわけではないので、私にとっては「最強の英語勉強法」となりえています。世界が広がるし。この作品一つ読むだけでもおおきくとらえれば、アメリカの歴史を再認識しましたしね。

「PB読んでいるだけでテストは受からない。」これは言えるかもしれません。でもいつの日か「PB読んでるだけでも結構な英語力つくよ。」と証明できたらいいなあと思っています。それに言語を超えた読書の感動はこの上ない蜜の味です。残念ながら私は2か国語だけでも四苦八苦。

まだまだ修業の旅は続きます。

今日もきていただいてありがとうございました。
明日もいい一日でありますように。

2012年1月15日追記:映画The Help についてUpしました。
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映画「The Help」