A Thousand Splendid Suns

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2人の女性を通して見るアフガニスタンの深く悲しい歴史

降り注ぐ千の太陽(希望)の光がたくさんのアフガニスタンの女性のもとに届いて欲しいと願わずにはいられない

Author:Khaled Hosseini
Period: 2.7.2011~2.13.2011 (7days)
Category:Fiction (based on the history)
448pages

Total recommends: ★★★★☆
Difficulty:★★★☆☆
Story:★★★★★
can't-sleep-dgree★★☆☆☆(読み出すと寝られないではなく、読んだあと寝られない度のほうが高めでしょうか)
Mystery-packed-degree:☆☆☆☆☆
Romance-packed-degree:☆☆☆☆☆

(基準や感想は、あくまで一英語学習者の主観に基づく判断ですご了承ください)


この一週間この本と共にアフガニスタンで過ごした気分で帰ってきました。そんな気にさせてくれる本です。若かりしころに読んでたら、思わずNGO活動に行きたくなったかも。TIMEに載っている悲惨な事実からアフガニスタンを垣間見るより理解できるかも。王制崩壊からソビエト侵攻、そしてタリバン政権の誕生、崩壊までが目の前で繰り広げられていきます。2人のアフガン女性の目を通して。

実はこの本はイギリス人の友人に「最近洋書に目覚めたので、なにかお薦めを」という質問の答えとして帰ってきた本の題名でした。この本と共にデビュー作の「The Kite Runner」もよかったと書いてありました。さっそく日本やイギリスのアマゾンで確認。主人公が男性と女性。女性のほうが好みなのとページ数とお値段の少ないほうとまずはポチッとしました。どうもハンカチ用意なのは必須と買うときに覚悟しました。

主人公はアフガニスタンで生まれ育った女性二人、Marian とLaila。2人が自らの人生をイスラム的、政治的(タリバン)な理由で内戦のさなか、自分で切り開いていくことを決して許されず、弱者の立場を容赦なく突きつけられ、運命に翻弄されていきます。アフガニスタンでは、かくも女性がこれほどの扱いをうけるとはということが詳しく書かれています。ストーリーは親子関係、夫婦関係、内戦、どれも私達が考えているものを越えた形で進みます。この話はアフガニスタン以外では考えられないだろうと思います。なんともドラマチック。2人の女性の幸せを切に願いながら、ハラハラしながら、応援しながら読み進みました。

最初はまったく別立ての章で年齢がまったく違う2人の生い立ちが語られて行きます。2人が出会ってからも、「Marian」と「Laila」の章が交替ででてきます。視点をこの2人の視点にあわせて話が組み立てられています。そこが面白いなと思いました。

ストーリーはあえてあまり触れていないのは、実はアマゾンの書評で詳しすぎるのを見てしまって、読む前にストーリーがわかってしまってちょっとがっくりしたからです。この話を読みたい方は先にあの書評は読まれないほうがいいと思います。主人公の名前が何度も出てくるやつは要注意。

フィクションだとはわかっていながら、全くそのような印象を受けません。きっとこのような生活をしている女性がアフガニスタンには何万人もいるだろうなと思わせる何かがありました。

英語の間にたくさん、現地の言葉がでてきます。前回読んだミレニアムで出てきた以上かも。代名詞とか、一般的な人の呼び方が英語ではありません。そういうの今まで読んだ中でもありました。スコティッシュが混ざっていたり、スウェーデン語が混ざっていたり。それにはちょっと慣れるまで、「これは?だれだ?なんだ?」の世界です。人名も聞きなれない名前が多いです。英語もアフガニスタンから亡命した作者が英語で書かれたものですが、とっても詩的に感じました。(英語学習者なので、そのへんの判断はええ加減かもしれません。すみません。)詩やコーランもたくさん出てきます。そういう意味では★はもしかして4つかもしれません。でもストーリーが理解できないほどではありませんでした。 

ヒロイン達の運命に深く深く、苦しく、せつなく、やるせない気持ちに何度もなるので、読んでいて爽快な気分になれる本ではないかも知れません。寝る前に読むと、寝られなかったし。でも、やはり思ったのは、

「これは読まなきゃいけない本でしょ。」

顔を背けたくなるような事実でも、平和ボケした私達にはこのような素晴らしい語り口で語られる物語を通して現実を教えてくれた著者に拍手を送りたいです。昨日も書きましたが、かつてTIMEの表紙にもなった夫に鼻と耳をそげ落とされた女性や、投石刑(stone to deathと呼ぶ)なども最近見聞きしていたので、さらに目の前にタリバンの怖さをみたような気がしました。

ヒロイン達のことを思えば、自分の日々の悩みなんてと思える作品です。私は涙もろいので、やっぱり何度も涙しました。子供の前ではつらかったので、本を読むのをやめた時もありました。

最後のほうのシーンで一番涙がとまらなかったシーンで思い出した映画が一つ。

ニューシネマパラダイス
私の大好きな映画です。

あの有名なラストシーン。私が何度見ても泣いてしまうラストシーンを彷彿とさせるワンショットがありました。ああいうの持ってこられたら弱いんだよなあ。

物語っていいですねえ。

ちょっと重いの続きすぎ。次はすこしはさわやかであることを願って、ヤングアダルトで行きます。