The Thirteenth Tale


The Thirteenth Tale: A Novel
The Thirteenth Tale: A Novel
著者:Diane Setterfield
Washington Square Press(2007-10-09)
販売元:Amazon.co.jp
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誕生と喪失そして再生の物語

少女達に与えられた運命を紡ぐゴシック感溢れるStorytelling

Author : Diane Setterfield
Period(読書期間): 12/31.2010~1/3.2011 (4days)
Category: Gothic-styled mystery
406Pages

Total recommends: ★★★★★★
difficulty:★★★☆☆
story: ★★★★★
can't-sleep-degree:★★★★☆
romance-packed-degree:★☆☆☆☆

(あくまで主観的判断ですので、ご了承ください。)

年末年始を過ごすために訪れたホテルで大晦日にページを開いて、そこから閉じたくないと思うほど読みました。2011年初めの記念すべき本がいきなり星6つつけちゃいました。年末に3冊買ったので、どれを読もうか悩んだ挙句、じっくり時間があるときにはやっぱ大人向きの?本にしました。これの前がヤングアダルトだったから。

表紙がまたいいんですよね~。すごーく感じが出ています。最初に見つけたのは、アマゾンで。その次に洋書ファンクラブで。で、先日viva romanceの雪柳さんが読まれていて、どこで見たか教えてもらいました。ああ、そうかと内容を少し知ったとたん、ポチっと思わずしてしまった1冊です。(ちなみにアマゾンのコーナーの「この本を買った方はこの本も買われています」とあるほとんどは私が買った本になっている。全部じゃありませんが、なんか恥ずかしいですねえ。)

だって、舞台がヨークシャー、しかも廃墟。おもな舞台の一つはHarrogate。これを私が読まないわけがない。ヨークシャーにしばらく滞在したことがある私。で、Harrogateだって行ったことあるし。またまた頭に風景が住み着いてましたこの3日半の間。400ページほどですが、31日の夜に家族が「ガキの使い」を見る横で40ページほど読み。(どうしても横でちらっと見て一緒に笑う自分がいました。)あとの3日間は一日100ページ以上のハイペース。今日はカレーを作りながら読みました。(主婦は読書に没頭できないのがくやしい)舞台はイングランドですが、出版社はアメリカ。もしかしてこれはアメリカ英語に書きかえられてるのか?とおもうぐらい読みやすかったです。(実際のYorkshire訛りは分かりにくいです)でももっと早く読みすすめたい気持ちになりました。まだまだだなあ。

ざっとしたあらずじですが、イギリスで知らない人はいないほどと言われるの作家Vida Winterからある日若き無名の伝記作家で内面に苦悩を抱えるMargaret Leaに突然手紙が送られてくる。いままで誰も知りうることのなかった彼女の半生の伝記の依頼だった。なぜ自分に依頼があったのかいぶかしい気持ちを抱きながら、MargaretはVida Winterの住むヨークシャーへと向かいます。

「あなたはGhostを信じる?」とVitaWinterは秘められた過去の扉を開けます。そこに存在していたのは、ある一家の悲劇の歴史でした。はたしてVita Winterの話はほんとうなのか?悲劇の少女達の運命は?Margaretは自分の過去と向き合いながらVita Winterの世界へと旅立ち、そこにある謎、絡んだ糸を一つ一つをほどいていきます。ヨークシャーを舞台にジェーン・エアの話の再来のように物語は驚きの事実へと突き進んで行きます。

話はとても丁寧に語られていきますが、最初から一つ一つの章に布石を置くように謎が語られ、事実が発見されの連続です。だから続きがどうしても知りたくなる。一つ一つのエピソードが最後には一つになる。主人公の若き伝記作家は自分の中に苦しみを持ちながら生きる女性。父親の営む骨董本を扱うお店で育ちます。友達は古い本。いつも「死」と向きあって生きています。彼女が扱うのも「死んだ」作家についてです。その彼女が有名な作家Vita Winterから依頼を受けるのですが彼女の過去は謎だらけ、彼女の過去はいままでにも伝えられているのですが、真偽のほどが分からない。その本当の過去をミステリーのを解く探偵のようにMargaretが答えを出していきます。死んだ過去を。

謎解きが面白いのと、話の雰囲気がもうイギリスが舞台でしか語ることができない内容です。GhostにTwins、governess(女家庭教師)そしてTruth。これがキーワードになって、イギリスのお屋敷にあるベルベットのカーテンが何層ににもかさなって掛けられているのを一つ一つカーテンを通っていくような感覚で読み進みました。秘密の上にまた秘密。ブロンテの雰囲気を知る方には必須!って感じの話しです。「ジェーン・エア」が読みたくなります。昔スカーボローという場所に1人でふらふらしている時に見つけた姉妹のアン・ブロンテのお墓をなぜか思い出しながらも読んでました。
話にかげりがあるというか、なんというか、この感じやっぱりGothicともいえます。まあ中には「そうくるか!」というエピソードもない訳じゃあありませんが、あくまでフィクションですしね。意外性が大事。舞台のすべてが実在の場所という訳ではないようですが、実によくできています。(思わず地名を調べて航空写真を眺めた私。ムーアと緑のコントラスが懐かしい)最後のところでは涙してしまうシーンもありました。それとちょっとDragon Tattooと類似点があると感じました。雰囲気は違いますがね。女性作家だし。

日本のアマゾンは書評が一つしかなかったので、イギリスのアマゾンに行って書評を読んでますます読みたくなって、買いました。(最近そうやって本を選ぶようになりました。英語の勉強にもなります。)

うーんこんな話にすぐ感動してしまう私。完全に私の好みのお話でした。読んでよかったです。紹介してくださりありがとうございました。メイクドラマだったなあ。(また長嶋さん登場)こういうていねいなお話翻訳ないんでしょうかねえ。日本語にするとちょっとドラマチックすぎるでしょうかね。多分。ちょっと調べてみたら、アメリカで2007年ぐらいにベストセラーになったデビュー作でした。日本語の紹介もほとんどなかった。私ってもしかしてマニアック?なぜなら、さっき夫が横でテレビ見ていて、「ドカベン岩鬼くんがなぜ関西弁なのか?」という答えをスラスラと答える私に「何でそんなこと知ってんねん!」と叫んでました。やっぱマニアック。え?ご存知?答えはドカベンの31巻にあります。

いや、でも面白かったです。夢中になりました。
うーん、ヨークシャーに行きたいよ~。

220px-Upper_NidderdaleWikipediaで見つけたヨークシャーの風景です。