英語読書日記35(耳読書No.25)The Kingmaker's Daughter



Author:Philippa Gregory
When:September 15th ~ September 22nd 2013
Category: Fiction based on the history
Pages: 464 pages (15 hours and 7 minutes )

Total recommends:★★★★★
Difficulty:★★★☆☆
Story:★★★★☆
Can't-sleep-degree:★★★★☆
Romance-packed-degree:★★★★☆
Adventure-packed -degree:★★☆☆☆
Mystery-packed-degree:★★★☆☆


英語読書累計 14980pages  

「カズンシリーズ」は飛び飛びに読んで、これで5冊目です。続き物ではなく、同じ時代に違う主人公の視点から「バラ戦争」の時代が描かれているので、何度も同じ登場人物が出てきて、しかも視点が違うとまた見方が変わって面白い。これはシリーズを読んで面白さが倍増するようにできています。そしてこの時代にやけに詳しくなってる自分がいます(笑)

これはこのシリーズの中でも1、2を争う出来です。

しかも一般には「悪王リチャード3世」と言われている王のお妃が主人公。でも実はこの後で王となるヘンリー7世によって作られた像であると言われています。短い在位期間であったにもかかわらず、案外善王ではなかったか、と評価は低くない。

その知られざる事実を明かすかのような話の展開でかなり面白いです。知らなかったリチャード3世像と他のお話ではかなりはかない弱々しい女性像しかわからなかった王妃アン。その短い、悲しい生涯を垣間見ることができます。

なによりも面白かったのは、1巻では主人公として登場した王妃エリザベスがこの間では完全に悪役として語られます。その落差があまりに面白かったです。語りがすべて主人公なので、こういう描き方ができるんだなあと舌を巻きました。ほんとに全部絡んでて、全部読んでおいしさ倍増って感じです。

前半のクライマックスシーンはなんと言っても嵐の船の中での主人公の姉の出産シーンです。読んでもすごいインパクトだと思いますが、聴いてると出産シーンに立ち会っているような感じでもっとコワイ・・・。ここまで書けるとは・・・。いやあすごいです。

主人公のアンはキングメーカーの娘としてはかなり地味な存在で、お話の中でも控えめな性格が垣間見えます。
父親がエドワード4世を王座につかせたあと、今度は反旗を翻して退位を迫る。その中でエドワード4世の王妃であるエリザベスの父と兄を殺害します。その時からアンとその姉イザベルにとって生涯王妃エリザベスは敵であり、魔術を操るおそろしい魔女としてうつります。その恐怖感が彼女をむしばんでいく。

政略結婚でイギリスの王位継承者と結婚し、夫を戦いで亡くしたあと、王子リチャードと駆け落ちに近い結婚をして、最後は王妃となったアン。でも28年の短い彼女の人生は華やかさからはかけ離れた影との闘いに終始します。せめてもの救いは夫リチャード3世ととてもよい夫婦仲だったという描き方でした。いとこ同士の結婚。しかし、最後は病弱なたった一人の王子の死とともに彼女の命の灯は消えゆこうとしている。その彼女の内なる声とともに物語は終わります。ちょっとこころ揺さぶられました。

王妃としての条件は群を抜いていたにも関わらず、シリーズの中の3人の王妃の中で一番地味に映るリチャード3世妃アン。しかし、物語としてはカズンシリーズの中でも一番よかったのではないかと思いました。

順番を変えて読んだんですが、かえってそれがよかったような気もします。もうこのシリーズが終わりなのかと思うとちょっとさみしいです